William (Bill) Harms Rod

日本の魚のために、2013年に手に入れたのがこの竿でした。

Bill Harmsはアメリカではちょっとは知られるカスタムメーカーのようです。Classic Flyrod Forumでは時々目にする名前で、コンベックステーパー(ストレートテーパーと絞られるテーパーが交互に存在する!?)のロッドが特長です。

 

Bill Harmsを初めて知ったのは10年も前にArt of Angling Journalで特集されていた記事を読んだ時でした。趣味の人、考え深そうな人、そんな印象でした。そして2013年に中古市場で見つけて、7’6”の4番であることと、クアドレートであることに惹かれて手に入れました。

レナードをリスペクトしつつコンベックステーパーを有するこの竿は今ではすっかり私のお気に入りです。釣りが好きでフライフィッシングを知っている人が作ったのだろうという感触が伝わってきます。

繊細なティップとプロフェッショナルな仕上げに思わず手を打ちたくなるのですが、実際に振ってみると、始め少しラインが暴れるような感じがしました。スティールヘッドの釣りで使う高番手に慣れているせいか、強く振り込みすぎていたようです。その後1、2時間のうちに心が整い、半日もすれば腕に馴染んでくれて、ラインは自然に伸びるようになりました。先の米国の竹竿フォーラムでもマニアと目される人物から「はじめ馴染むのに苦戦したけれど、今ではベストクアッドの1つ」というコメントがありましたが、なるほどその通り、と思います。正直、クアッドによる機能上のメリットは感じませんが、クアッドである外観は間違いなくエキゾチックで素敵です。釣友には「菜箸みたいだな」と言われましたが、それで曇ることはありませんヨ。(どうしても自分が持っている道具たちを贔屓目に見たくなってしまうものですが。)

入手以来この竿でちょこちょこと出かけていますが、よほどのヤブ沢でない限り、一緒に楽しい時間を過ごしています。8寸ほどのヤマメなら釣りらしく竿がしなります。鱒釣りを愛する人が作ったと思わせられる繊細なティップは、小さな魚とも繋がるように感じられます。

使い始めた頃は1日の終わりに穂先の曲がりが結構出ていましたが、手で直して仕舞うことを繰り返しているうちに、暴れ加減はおとなしくなってゆき、落ち着いてゆき、今ではほとんど曲がらなくなってきました。

スウェルバットは好みが分かれるでしょうけれど、それほど色々な竿の経験があるわけではないので、これの良し悪しを判定しようがなく、ひとまず気にしていません。それよりも使っているパーツやディテールの仕上げがこの竿の全体の雰囲気をつくっていて、連れて歩くのが楽しくなります。

釣り人にとって竹竿はそういうものなのでしょう。きっと。

Winston Rod

どうしても6フィート代の短い竿を使ってみたくなり、探していて行き会ったのがウィンストンの6’#4の竿です。

グレン・ブラケット時代のウィンストンは以前スティールヘッド用の9’を使っていて、バランスのとれたアクションに好感と安心感を持っていたので購入してみることにしました。

グレンのウィンストン晩年はワインディングチェックに竹を使うようになりましたが、私はニッケルシルバー製のものが好きで、手に入れたものがちょっと古いものだったので、なおさら愛着が湧きます。ウィンストンには「リートルフェラー」という短竿低番手のシリーズがありましたが、これは「ライトトラウト」の方です。しっかりしたアクションで、短い竿だからでしょうか、ピンピンした感じです。使う前はグラファイトと遜色ないくらいの早い感触で、ムムム、という不安がよぎりました。

 

私が行く渓流では、7半では周囲の木々と干渉することが結構あって、短い竿ならどうなのだろう?と考え始めていました。短い竿が長いリーダーには有利になるわけがないし・・・ためらいつつも一度湧き出た好奇心に抗えず、で、この竿に手を出してしまったワケです。

現場に持ち込んでみると、ちょっと想像していたこととは違う感じで釣りが楽しめています。

今まで使ってきた竿とは随分違うのですが、意外にキャスティングが楽しいのです。短いおかげでとにかく軽快。木々のトンネル内でも、今までよりすり抜けられる。短いことで周囲の木を釣ることが減ったようにも思います。短いせいでディスタンスキャストに困るような場所は私の行く渓流にはないのですが、一方この竿は15mくらいまでは十分釣りの範囲です。さすがアメリカのトラウトロッドという感じです。取り付けた12fのリーダーも特に苦になりません。移動の時にリールを巻けばラインとリーダーの継ぎ目がトップガイドに入ってしまって引き出すのが面倒と思いきや、短竿ゆえに、竿の先端にすぐ手が届くのでかえって便利です。

アメリカの竿で、それなりの鱒を考えているせいでしょうか、#4のこの竿は日本の魚にはちょっと強い気もしますが、ついこの前にかけた8寸のヤマメには結構絞られ、竹という素材のせいか対象とうまく繋がり、分断されている感覚はないのです。

ちょっと困ってしまうのはこの6fを使った後いつもの竿に戻るとえらく重く感じることでしょうか。この竿に慣れ過ぎてしまうとスティールヘッド用の竹竿を振る自信もぐらつきかねないくらい、軽快で楽しい竿です。体力増進にはなりませんが、短竿、オススメです。