Meiser Highlander

ハイランダーはR.B.Meiserの基幹シリーズである。マイザーの追求するデザインコンセプトを具現化したロッド群であり、インタビューにもあるように、“ロッドがすべての仕事をこなす”ことを追求している。そして多くのスペイフィッシャーの意見の統合、結晶でもある。結果、北米ではマイザーシリーズの1本を選ぶとすれば、という問いかけに、多くの釣り人がハイランダーの中から1本を選ぶことになるようだ。

プログレッシブアクションのテーパーはMKSよりもティップは細め、バットは太めになるが、一昔前のヨーロッパのトゥーハンドロッドのような強さ・硬さを排除し、手元にグッとラインのローディングを感じることのできるアクションに仕上がっている。

MKSとの違いはキャスターのスタイルの違いであり、達成しようとする目標は常に同じ。大まかに言えば、MKSはリラックスしたキャストを目指し、ハイランダーはよりアグレッシブなキャスターに向く。クラシックなスペイスタイルからスカンジナビアン、スカジット、どれもこなすことが可能なアクションであることに変わりはなく、基幹シリーズよろしく、もっともワイドレンジのスペックが用意されているのがハイランダー。ロッドの長さと番手の組み合わせ次第で、自分の1本はきっと見つかるだろう。

記のハイランダーは16'、#6/7/8というスペックだが、実際は8/9/10のラインをあわせてちょうど良い。ここがマイザー選択時に戸惑う点である。グレインウィンドウは600-850である。グレインウィンドウに慣れない釣人にはイメージするのが難しいが、近頃ラインメーカーはヘッドの重さを表示しているので、ライン選別の際はそれを確認すると良い。私は600グレインの55fのヘッドに15fのティップをつけてキャストすることでうまくいった。合計およそ750グレイン。ウィンドウの中間である。技術的な問題でショートヘッドを使っているけれど、マイザー自身はこの竿には当然Longer Bellyが適合するとコメントしており、ロングベリーラインを選ぶ際にはヘッドで850グレインに近くなるよう選ぶことを薦めている。

 

Standard Build

マイザーロッドのデザインはフェザーインレイとコルク数種のコンビネーショングリップが特徴になっているが、今回掲載のハイランダーはカスタム仕様より100ドルほど安くなっているスタンダード仕上げのもの。

上記の画像のように、スタンダードでもフェザーインレイが入る。ただしジャングルコック1枚の極めてシンプルなものになるのが普通。(いつ気が変わって変更になるかはわかりません。)

またグリップはカスタムと近く、ラバライズコルク、バールコルクを段重ねにして上下のグリップの端に配置されるようになっている。また、この16'にはセラミックガイドがストリッパーを含め3つ付いている。

 

リールシートはマイザーがストラブルにオーダーしたもので、スタンダードにはピューターカラーのものがダウンロッキングで付けられるのが通常。アップロックも要望に応じてくれると思う。

スレッドワークは白とグレー、そしてコパーの3色であることが多いようだ。今回ガイドはグレーのスレッドで統一されており、各セクションのボトムは下の画像のようにホワイトとグレーのコンビネーション。仕上げはカスタム同様の作業を経ているので満足のいくものになっている。

カスタムでは竿袋とアルミケースであるが、スタンダードは中に間仕切りがあるコーデュラカバーのハードケースである。こちらのほうが好きだという人もいるかもしれない。

 

S2H130678 Highlander 16' #6/7/8

MKS購入後にマイザー本人にこの16fのハイランダーを強く薦められた。日本の釣り雑誌を本人宛に送ったところ、そこに出ているロングロッドのユーザーが60cmの虹鱒を手にしているのを見て、この竿こそ日本のユーザーに訴えるものがあるのではないか、そう来たのである。「魚のサイズからヘビーウェイトのロッドもラインもあまり必要ないだろう、ただ遠くを狙いたいのは理解できる」

まずはマイザーのカタログから抜粋した下記解説を参照のこと。

 

<S2H160678 Highlander 16'0" 4pc. 6/7/8wt. Fast/Med Fast Progressive>

このロッドはまったくもってユニークな、16フィート、6ピースのライトラインロッドといえます。S2H160678は、はじめ低番手ロッドのベンチマークとして巻かれ、また16'#9/10/11をデザインするプロセスの布石として製作されたものです。

ところが、開発に携わった全員がこのロッドが#6/7/8のロングベリー・ドライラインをプレゼンテーションするのに最高のテイストであると認めることとなり、シリーズに加えることになったのです!

このロッドはまさにスウィートアクション、軽量且つファストリカバリーアクションのビッグリバーロッドです。遠くに見える流芯と緩流の境にフライを届けるのにはパーフェクトなロッドであり、スケーティングには絶対で、あるいはロングディスタンスのグリースライン・スウィングに最高です。ミッドからロングベリーのドライラインのデリバリーに最高の能力を発揮し、フローティング+ティップ、そしてシューティングラインもこなすロッドです。

このロッドは、おそらく16フィート・ロッドのマーケットでは最軽量の部類に属するとおもいます。ですが、決してひ弱なものではなく、キャストを楽しむと同時に耐久性も十分なロッドです。理想のビッグリバー・ロッドの1本として、サマー&ウィンターラン・スティールヘッド、そして、30lbレンジのサーモンに対応しています。6ピースもオーダー可。

 

たとえば絶対的なロングキャストが必要なとき、やはりこのロッドはコンスタントにMKS13'6"以上のディスタンスをこなすことができる。たとえばドライラインのみで広範囲に釣りがしたいとき、このロッドを手にしたくなる。MKS13'6"では手出しできない状況に応じようというのであれば、これである。まったく事情の異なるシチュエーションのときに出てくる竿で、人によっては病みつきになりそうなアクションに仕上がっている。

ところで、いくらマイザーのコメントが「軽く」となっていても、普段14フィート以下を振り回していると、正直16フィートは決して軽くはない。けれど、13'6"のMKSに比べれば重いものの、慣れることのできる範囲である。2日カナダでスティールヘッドを釣ったとき、このロングロッドの反発は長い弓を引くようで、きれいにラインを返して見せる。良く曲がる竿で、10lbくらいのスティールヘッドでも魚の加重を受けて見事に湾曲してみせる。

番手では6/7/8の表示だが、実際のグレインウィンドウは8/9/10くらいを示しているのでパワーは十分、ラインを通してキャストすればけっしてヘナチョコではなく、エアフロデルタ9/10ショートヘッド(55f)にティップをつけたライン(合計70fのヘッド)がいつもより遠くに伸びてゆく。ティップはセージのような細さ、繊細さはないが、むしろひ弱でない分シンクティップワークにも安心を感じた。

しかしこの竿の本当の顔は、ロングベリーのドライラインを広い流れにキャストするものだと思う。いつかこの竿の先にドライライン+ロングリーダー、そしてローウォータスタイルのフライを結び、広いグリースラインウォータ、たとえばトンプソン、たとえばスキーナ本流を釣ってみたい。そんなロッドである。

マイザーがプッシュしてくるこのロッド、日本のスペイフィッシャーにもその価値はもたらされるに十分と思うが、どうか。