シンキングラインと定番フライたち

カナダに行けない腹いせで始めたシーバスの釣りに魅了されていて、今ではすっかりハマっていると言った方がいい状態です。2023年はBCへの釣行があったのにも関わらず、戻ってからはコチラが気になって、10−12月で4回出撃しました。コストがそれなりですからホイホイ出かけるわけにはゆかないのですが、仮に管理釣り場に行ったとして、高いガソリンを給油し高速道路を走らせたらそれなりのコストになります。それを考えれば、横浜に住む自分は東神奈川・鶴見あたりまで電車でも車でも20−30分程度、4時間のボートシーバスは集中した狩猟時間になり、しかも野生味溢れる獲物なので近年は頭の中から離れることなく、布団に入ってもスーッとリトリーブしているイメージを描きつつそのあとにガッとくる感触を思い返したりしてしまいます。

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12月の手前、11月末にナイトフィッシングに出た時、初めてタイプ4のラインでやり通しました。今までであればインターミディエイトしか選択しなかったというのに、今回はガイドのおすすめもあり、暗がりの中で暗い色のラインをキャストする趣のなさを承知で使ってみました。フライもオススメいただいたEPミノーを初めから結び、これが功を奏したのかコンスタントに魚信があって、今までとはちょっと違った釣りを経験できました。初め魚信があってもなかなか掛からない食いの浅い状況が続く中で「もっと躍動感のあるリトリーブを」というガイドからのアドバイスがありました。これをどう説明すればいいのかわかりませんが、元気だろうが弱っていようが、人工的ではない生命感のある泳ぎを演出するリトリーブがどんなものなのか、今後も探求は続きそうです。

シンキングラインの釣りはシーバスをやりこんでいる人たちからすれば今さらな感じなのかもしれません。レンジを意識すればシンキングは必須で、黎明期は主力のラインだった話も聞きます。自分はフローティングから始まり、インタミが主力になっていたところから、今ようやくシンキングラインの面白さを知ることになってきました。まず魚を掛けることが思案の主流であるビギナーで、ようやくここに行き着いた感じで、こう言った発見に驚きを持って海に向かっています。もしビッグベイトではない方法で大型を狙うのであればひょっとしてシンキングラインが鍵になるのでは?とも想像しています。

 

タイプ4のラインは細身でよく飛びます。元々バックキャストで後ろは振り返らないですし、手の中の感触でタイミングをとってやってきているので、暗い中でも(風に翻弄されなければ)それなりに釣りはできます。フライが10cmくらいですし、常夜灯付近で投げているので、フライのプレゼンテーションの位置はしっかり見えています。カウントダウンせずにいつものフローティングやインターミディエイトのラインと同じようなリズムで釣っているので、それほど沈んでいる感触はありませんが、タイプ4のおかげで着水後すぐに水に噛んで泳ぎ始めることがよかったのかもしれません。思いのほかテンポ良く釣りができました。このラインのおかげでタイトな場所でのキャスティングでも今までのラインより奥まで通すことができ、おかげで80cm弱のサイズに久しぶりに恵まれました。またキャスト後すぐのリトリーブで反応が弱いとなれば即座にカウントダウンに移れます。20カウントで2mほどしか沈んでいませんが、例えばガイドボートの魚探に表れている魚が5mくらいであれば、それを考えてカウントダウンすることで表層よりはグッと近づく感じになり、魚はよりフライに気がつきやすくなる!?

早速1月中旬に出船のタイミングがあり、シンキングラインの想像を解放するチャンスだと勇みました。ですがガイドのおすすめは全く違うものでした。聞けば単純な話、ベイトの問題であるということです。沈めて大きなフライもダメではないけれど、それで大きい魚の確率が増すと言うわけでもないと。おすすめの通りインターミディエイト+ゾンカーのセットアップで各所を釣ったところ、タイミングだったのかこの釣り初体験の入れ掛り状態で、2人で60を越す魚を釣ることになりました。しかし目指すような大きさのは来ず、せいぜい60cmを超えるくらい。思い描いていたシンキングラインに大型EPミノーでも試したのですが、魚信は遠のき、ベイトのサイズと合っていないのだと知らされるばかりでした。大型に確率高く会える時期はコノシロを追って湾内に入ってくる10〜12月で、その後は秋ほど大型の確立が高いわけではないようです。

それにしてもベイトに合わせたフライの大切さを思い知らされました。釣った魚が吐き出すのは7cmほどのイワシで、秋のコノシロの時期とは打って変わって移り変わる季節を感じることになりました。シンキングを試しましたが、釣れはしたものの手応えは薄く、一方でルアーを引いてみるとボートに近づいて浮き上がってくるのに誘われる大きな魚を見て、水面に向かって泳ぎ上がってくる角度が誘いのキモなのかと新しい思いに耽ったりします。もしそうであればフルシンクでなるべく一定層を引いてくるよりはインターミディエイトで水面下を泳いでいる方が誘っている感じがします。あるいはトリプルデンシティラインでリトリーブするとか。思った方に行かないことがポジティブな想像に向かわせるのはフライフィッシングの楽しみでしょう!?

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EPミノーは透明感と水馴染みを考えてEPファイバーをつけすぎないように気をつけて作ります。魚っぽいシルエットを考えすぎてボリュームのある感じにすると、大切な第一投で浮いてしまうことがあり、ようやく沈みはじめると、今度はより水を含んだフライではキャストに軽快感が出にくくなります。ラインの重さなどでこれらは解消されるのかもしれませんが、現状は7番の竿で楽しくフライキャスティングができることもボートシーバスの楽しみです。

EPミノーは時々フライを確認しないとマテリアルがベントに絡まっていることがあり、注意しています。特に一本釣った後はガタガタになっているので、ここは労を惜しまず、携帯している櫛で空くようになりました。魚が釣れている、釣れそうな気がしているとついつい慌てて投げまくりたくなります。あるときハタと気がつきました。せっかく魚がいそうなところに慌てて何度もミスキャストして、しかもマテリアルが絡んで変形したフライを引き回し、魚を散らしているのかスレさせているのか怪しいものでした。落ち着いてワンキャスト必中で行くようにしたいものですよね。


イワイミノーも軽快なキャストでシーバスが狙えるフライの一つです。トップウォーターと言うよりサーフェスの釣りで、リトリーブで10cm?くらい潜って泳ぐことが理想です。魚が出れば明らかに水面にそれが現れるこのフライはこの釣りのイメージを変えてくれました。潜ることが前提なのでアイにはボールチャーンや小さいダンベルアイを使います。リトリーブはフライが動き続けることを大事にしています。潮の流れに逆らうのであれば早いリトリーブが必要ない感じですし、流れが釣り人に向かっている時は早めのリトリーブを心がけます。いずれにしろ基本はロングストロークでインターバルをなくすように、弱ったイワシ?が演出できるといいと思うのですが。。。その日の傾向を見つけるために速さを変えたり、ダブルハンドのリトリーブにしたり、あるいは時にインターバルを設けてみたり、変化をつけて様子を伺うようになりました。

サーフェスミノーの釣りでどうしても気になるのはフッキング率です。かなりの数を誘い出しているにも関わらず、実際2割程度しかフックに乗ってくれません。今までフォーム材7cmの長さでボディを作っていたせいなのかと思い、5cmにしてみましたが大して変わらなかった。フックをバリバスにしたりドヒークにしたりしていますが、明らかな違いは感じていません。やはり水面に出てきて捕食するというのは警戒もあったり、捕り損ねもあったりで魚側も簡単ではないのかもしれません。ここはまだまだ研究が必要なところで、5割に近いくらいで掛けられるようにならないか想像が止みません。

イワイミノー サーフェスミノー シーバス フライ ボートシーバス

年明け以降、特に3月以降はバチの話が出てくるのでゾンカーは必携です。5〜7cmくらいのサイズで用意していていますが、ベントに絡まないようにちょっとした工夫は必要です。自由に動く部分があまり長くなりすぎないようにしつつ、同時に絡み防止も入れておけばトラブルに見舞われることはぐっと減ります。海のフライでは黒鯛でもそうですが、マテリアルが絡まったフライになると魚の反応は一気になくなってしまうように感じます。怪しいと感じたら次のキャストに移る前、あるいは魚が釣れた後で再開するときにフライの状態を確実に確認するようになりました。

ゾンカーのボディを太くしてやってみたことがありましたが、ガイドが巻くものは驚くほどすっきりしていて、それもそのはずバチを考えればここにボリュームがある必要はないわけです。色は以下の写真のようにやっていますが、どれも今のところ同じような反応です。白が基本になるとは思いますが、手持ちのものでそれに類似する色調と思われる!?ものであれば何でもいいのかもしれません。このフライを使うときはバチを意識しているので水面近くを浮遊することを考えて、組み合わせるラインは今までインターミディエイトのみです。

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皆それぞれに考えるフライフィッシングらしさというのがあり、自分にとってシーバスでそれを達成するのが6−8番のフライロッドのキャスティングであり、上の3つのフライはどれもそれにハマります。これは実は自分にとって重要なことなのです。サーモン・スティールヘッドに燃えていた時期は強い道具を探求していました。ある日、犀川で11番のスペイロッドに50cmのイワナが掛かった時、その感触が4番の竿のチビヤマメくらいしかなかったことにショックを受けました。道具は場所や状況で選ばれるものでもありますが、掛かった魚と対等感が出ないと自分が楽しめないことがよくわかりました。経験の中で自分にとってその魚にちょうどいい竿の強さが見えてきた感じがあります。

ビッグベイトの世界も実は興味があるのですが、1Mのスティールヘッドも8番の竹竿でやっているので、仮に1Mのシーバスだろうと、今の所は6−8番が適当と思ってやっています。そのロッドのフライキャストにハマるのが上記の3つ、という具合です。この中でどう工夫して大人サイズを引き出そうか、夜な夜な思考が止みません。。。

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